北海道自然史研究会

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2010年度生態学会


開催概要


2010年度の大会に関連して、日本生態学会札幌大会で、自由集会を開催しました。

32名の方にご参加いただき、無事終了いたしました。
詳しくはこちら ⇒ 自由集会の報告(pdf)

開催の様子


日本生態学会第58回大会 自由集会のお知らせ

2011年3月8日開催

自由集会W05
「北海道の自然史研究の現場はどうなっているか?北海道自然史研究会の取り組みと生態学」


日時
3月8日(火曜日) 17:00~19:00

場所
札幌コンベンションセンター E会場
〒003-0006 札幌市白石区東札幌6条1丁目1-1

企画者
持田誠・渡辺修(北海道自然史研究会)

 この春に札幌市で開催される日本生態学会で、北海道自然史研究会では自由集会を開催します。自由集会は、非学会員でも参加でき、参加費は不要です。


要旨
 北海道は本州とは異なる生物地理区に属し、特徴的な生物相や自然景観を呈する、興味深い自然史研究のフィールドとして、古くから多くの研究者の研究対象とされてきた。一方、こうした自然史研究により収集された標本の集積拠点として、また生態学研究の拠点として、道内の博物館は永年、研究活動を支援し続けてきた。
 北海道自然史研究会は、こうした自然史博物館の活動を支えてきた学芸員を中心に、北海道内の自然史に関するネットワークづくりのため、1993年に立ち上げられた。現在、学芸員だけでなく、大学関係者、環境調査事業者、一般市民など、広く北海道の自然に関心のある者が集い、講演会や情報ネットワーク、普及事業などを実施している。北海道自然史研究会は、個々の地域博物館では現実的に困難な事業を支援するため、
 1)道内博物館紀要の電子化・データベース化による、地域自然史研究の情報発信
 2)教材用冊子(パンフ)やペーパークラフトなどの作成による、自然史研究の普及
 3)研究誌の創刊や講演会による、市民研究者などの発表の場の確保と地域への研究成果の還元と蓄積
 に取り組んでいる。今回の自由集会では、北海道の自然史研究の「現場」の実状を振り返り、北海道自然史研究会が目指す新たなネットワーク事業を提言して広く参画を呼び掛けるとともに、地域自然史研究と生態学との関わりについて考える。また、北海道の「外」から見た、北海道の自然史研究の姿について、率直な批判や提言を集めることを目的に企画したものである。多くの自然史研究者が集い、活発な意見交換が進むことを期待したい。

報告者
1.宇仁義和(東京農業大学生物産業学部博物館情報学研究室)
  「自然史研究の現場を抱える博物館の課題」
  ・地方博物館が果たしてきた役割
  ・地方博物館の緊急課題

2.辻ねむ(標茶町郷土館)
  「三人寄れば文殊の知恵!みんなで探る、標茶町天然記念物ベニバナヤマシャクヤクの生態」
  ・標茶町とベニバナヤマシャクヤク
  ・調査における協力体制の特徴
  ・活動全体の問題点

3.渡辺修(北海道自然史研究会理事/さっぽろ自然調査館)
  「北海道自然史研究会の取り組み -情報の集積と連携-
  ・研究報告の現状(分野、デジタル化、ウェブでの出回り状態)
  ・今回のデータ化事業について
  ・それによるウェブでの状態の変化、検索の状況

4.道外の自然史研究者から  三橋弘宗(兵庫県立人と自然の博物館) 

司会進行:持田誠(北海道自然史研究会理事/帯広百年記念館)

 各報告は1人20分を予定しています。その他、会場に簡単な展示コーナーを作って、道内の自然史活動のアピールになると良いものを並べようと思っています。

関連集会


 この自由集会の翌日には、企画集会「博物館の生態学7」が開催されます。こちらは参加費が必要ですが、関心ある方は是非ご参加ください。

 こちらのサイトで内容が紹介されています。
 ⇒ 「togetter:博物館の生態学7-生物多様性保全のシンクタンクを目指してまとめ

企画集会T10
「博物館の生態学7 -生物多様性保全のシンクタンクを目指して-」


日時:3月9日(水曜日) 9:30~11:30

場所:札幌コンベンションセンター E会場

要旨
 自然環境や生物多様性の保全に対する民意が成熟しつつある今日,様々な課題や事業に生態学の研究者が携わる場面は増える一方である.研究者に期待される内容は,野生生物の保護や外来種対策,地域の自然環境に関する啓発などの課題解決から,レッドリストの作成や生物多様性地域戦略の策定などの政策提案まで様々である.生物多様性基本法による地域戦略策定の努力義務,COP10の開催などの後押しもあり,これらシンクタンク事業の展開に生態学研究者の役割は重要度を増すことが予測される.自治体や市民から,大学,研究機関,博物館などに寄せられる要望には,各機関に所属する個々の研究者が対応することになるが,こうしたシンクタンクとしての活動を機関の重要な事業として位置付けたり,あるいは組織化したりする動きが博物館にみられる.本集会では,博物館をはじめとして,生態学の研究者が携わったシンクタンク事業を紹介しながら,研究者や研究機関が社会にもたらすことのできた効果について検証したい.その上で,今後,シンクタンクとして自治体や企業,市民に対峙するときの望ましい関係性や望まれるスキルについて考察したい.

コメンテータ:梶 光一(東京農工大学)

企画者:井上雅仁(島根県立三瓶自然館), 橋本佳延(兵庫県立人と自然の博物館)

[T10-1]
趣旨説明-博物館に舞い込む生物多様性保全の相談ごと-
井上雅仁(島根県立三瓶自然館)

[T10-2]
社会と生態学の接点に身を置く博物館のシンクタンク機能-人と自然の博物館の事例-
橋本佳延(兵庫県立人と自然の博物館)

[T10-3]
千葉県の生物多様性保全関連施策における千葉県生物多様性センターの役割-とくにイノシシ,シカ,サルなどの保護管理施策を中心に-
浅田正彦(千葉県生物多様性センター/千葉県立中央博物館)

[T10-4]
生物多様性関連保全施策において地域の小規模博物館・研究者に期待される役割-北海道における現状と可能性-
渡辺 修(さっぽろ自然調査館)

 ※終了後に封入標本などによる生態学展示の事例デモをやる予定。